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私たちが自然農法を行うきっかけ

なぜ自然農法を始めたか

私たちが自然農法を始めたきっかけにはいくつかの理由があります。まずは農業自体をを始めるきっかけをお話しします。

食料自給率の低下と耕作放棄地の増加

耕作放棄地を減らし、食料自給率を上げていくということが大切。近年日本の食料自給率は年々低下しており、農林水産省の発表によると2022年(令和四年度)の食料自給率(カロリーベース)指標では実に38%まで低下しています。他の国のカロリーベースの食料自給率を見てみると、アメリカ131% カナダ225% オーストラリア233% ドイツ95% イギリス68%となっており日本の数値が異常に低いことが目に見えてわかります。ちなみにカロリーベース食料自給率というものを簡単に説明すると、私たちの食卓に並ぶ料理の食材のうち、日本で賄うことができる割合を示す指標の事です。またこの食料自給率低下に拍車をかけるかのように日本全国で、中山間地部の農地を中心に耕作放棄地が拡大しています。昭和60年頃13万ヘクタール程であった耕作放棄地面積が現在では42万ヘクタール以上へと膨れ上がっています。これは日本で食料生産をやめる人が増えているとも言えます。国産の農産物より安い海外の農産物が仕入れられるのなら別に日本で作らなくてもいいのでは、といった声も聞かれますがそれはとっても危険なことです。近年戦争などで世界情勢が不安定な中で、自国で消費する食料の生産量をある程度保持していないと海外からの輸入が止まってしまった場合に日本の国民たちは食べられるものの種類や量が大幅に減ってしまいます。なのでまず私たちにできることは、消費者はできるだけ国産の食材を食べるようにすることそして生産者は、耕作放棄地を耕し豊かな食を生み出すことが大切です。私たちはこれらの問題の解決に少しでも力になれたらという思いで農業を始めました。

魅力と可能性の自然農法

自然農法と聞けばなんとなく肥料や農薬などを使わないで栽培しているから体に良いけど、正直手間暇はかかるし大変で経営には向かないと思っている人が多いのが事実です。しかしそんなことはありません、肥料農薬の費用はかからないし、種や苗も自家採種した種を用いるので固定経費の少ないところが魅力です。また農薬や肥料を使わないことにより、生産物の残留農薬や、生態系や農地への悪影響などの心配もいりません。そして何よりも、最大のメリットは「持続可能な農業生産法」ということなのです。化学肥料や農薬を使わない自然農法は、海外からの肥料や農薬の材料の輸入が止まったとしても、体に安心・安全でなおかつ安定的な食料の供給を実現することができます。私たちが自然農法を行う理由はこの「持続可能」という魅力的な点にあります。

安心安全の根拠

私たちが行う自然農法の安心安全の根拠はどこにあるのか、という点については様々な議論の飛び交う話題ではありますが、これは言うまでもなく化学肥料・農薬や遺伝子組み換え・ゲノム編集の種子などを使わないという点にあります。今回は一つの例だけ紹介します。

ネオニコチノイド系農薬の恐怖

現在、日本の慣行農業のコメ農家が使っている農薬の一つに、ネオニコチノイド系農薬というものがあります。これは一般的にアクタラ・アドマイヤー・アルバリンといった商品名で農家向けに販売されています。また、種類や使い分けによって野菜に散布できるネオニコチノイド農薬もあります。このネオニコチノイド系農薬は今まで使われてきた農薬よりも危険な特性を持ちます。それは浸透性がある農薬だということです。この農薬は野菜やコメに散布することでその植物体にしみこみ、残留するという特性を持っており、害虫などがその植物体をかじると害虫はコロっと死んでしまうという仕組みなのです。皆さんはスーパーで購入した野菜は洗って食べれば、農薬は落ちるので安全と考えるのが普通だと思いますが、このネオニコチノイド農薬を散布された野菜などの農産物はいくら洗っても野菜の芯まで農薬が浸透しているため、完全に農薬を落とすことはできません。

よって、肥料や農薬を使わない自然農法が安心・安全といえる根拠はこの例だけにはとどまりませんがたくさんあります。

 

 

◎次回の更新予定内容

・肥料・農薬を使わない農業のやり方